ニューヨーク州の裁判所で4月15日から行われている裁判で、トランプ氏は不倫の口止め料をめぐって帳簿などの業務記録を改ざんした罪に問われています。
28日、最終弁論が行われ弁護側は「トランプ氏は無実で、いかなる罪も犯していない。検察は立証責任を果たしていない」と述べ、2016年の大統領選挙で不利になるのを避けるためトランプ氏からの指示で口止め料を支払ったなどとする元顧問弁護士のコーエン氏の証言は信用性がないという主張に多くの時間を割きました。
これに対し検察側は、コーエン氏はトランプ氏が行ったことについて最も知る立場にあり、信頼できる証言だと反論したうえで「トランプ氏はすべての進展を把握していた」などと6時間近くにわたって主張しました。
このあと裁判官は、29日からは一般の市民から選ばれた12人の陪審員がトランプ氏が有罪か無罪かを判断するための評議と呼ばれる話し合いに入ることを明らかにしました。
評議は陪審員全員が一致する必要があり、早ければその日のうちに結論に至りますが、数日かかる可能性や、判断が割れたまま不成立となる可能性もあります。
トランプ氏が罪に問われているほかの3つの刑事事件の裁判については審理が始まる見通しは立っておらず、今回の裁判はことし秋の大統領選挙に影響する可能性もあることから陪審員の判断に関心が集まっています。