背骨の
中の
神経が
事故などで
傷ついて
手足が
動かせなく
なる脊髄損傷の
患者に、
患者自身の
特殊な
細胞を
利用して
症状を
改善させる
治療が
国に
条件付きで
承認されたため、
札幌医科大学では
公的な
医療保険を
適用した
治療を
今月から
開始することになりました。
この治療法は、
札幌医科大学などが
開発したもので、
事故などで
脊髄が
傷つき
手や
足を
動かせなくなった
脊髄損傷の
患者を
対象に、
患者の
体内から
取り出した「
間葉系幹細胞」と
呼ばれる
特殊な
細胞を
培養して
増やし、
1億個ほどを
血液中に
戻して
症状の
改善をはかります。
国は去年、医療製品として、今後7年以内に改めて有効性を検証することなどを条件に承認したことから、札幌医科大学は今月中旬から公的な医療保険が適用して患者の受け入れを始めることになりました。
対象となる患者は、脊髄を損傷してからおおむね1か月以内の重症患者に限られ、当面は年間100人程度を対象に行うということです。
細胞を供給する医療機器会社は、来年度以降、ほかの医療機関でも治療が行えるように体制を整えたいとしています。
この治療法を開発した札幌医科大学の山下敏彦教授は「患者の『もう一度歩きたい』という思いに応えられる可能性がある非常に大きい治療だ」と話しています。