Actualités japonaises: 日大背任事件元理事ら追起訴 “田中理事長側に現金”の供述も

日大にちだい背任はいにん事件じけん元もと理事りじら追つい起訴きそ “田中たなか理事りじ長ちょう側がわに現金げんきん”の供述きょうじゅつも

Nov 16, 2021 17:11

Furigana

日本にっぽん大学だいがくの元もと理事りじが付属ふぞく病院びょういんの高額こうがくな医療いりょう機器ききの調達ちょうたつをめぐり、大学だいがくの資金しきんを流出りゅうしゅつさせたとして大阪おおさかの医療いりょう法人ほうじんの前ぜん理事りじ長ちょうらとともに東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶに背任はいにんの罪つみで追つい起訴きそされました。元もと理事りじらが一連いちれんの事件じけんで大学だいがくに与あたえたとされる損害そんがいは総額そうがくで4億おく円えん余あまりに上のぼります。

追つい起訴きそされたのは、日本にっぽん大学だいがくの理事りじだった井ノ口いのぐち忠男ただお被告ひこく（64）と大阪おおさか市しに本部ほんぶがある大手おおて医療いりょう法人ほうじん「錦にしき秀しゅう会かい」の前ぜん理事りじ長ちょう、籔本ほん雅巳まさみ被告ひこく（61）です。

また東京とうきょうの医療いりょうコンサルタント会社かいしゃ代表だいひょうの吉田よしだ徹也てつや被告ひこく（50）も在宅ざいたく起訴きそされました。

東京とうきょう地検ちけん特捜とくそう部ぶによりますと、元もと理事りじらはことし、日本にっぽん大学だいがく医学部いがくぶ附属ふぞく板橋いたばし病院びょういんで使用しようする画像がぞう診断しんだん装置そうちや電子でんしカルテシステムをあわせて23億おく円えん余あまりで調達ちょうたつした際さい、籔本ほん前ぜん理事りじ長ちょう側がわにおよそ2億おく円えんを流出りゅうしゅつさせ、大学だいがくに損害そんがいを与あたえたとして、背任はいにんの罪つみに問とわれています。

井ノ口いのぐち元もと理事りじは大学だいがくの子会社こがいしゃの「日本にっぽん大学だいがく事業じぎょう部ぶ」の役員やくいんとして、納入のうにゅう業者ぎょうしゃの選定せんていなどを担当たんとうし、吉田よしだ代表だいひょうは元もと理事りじとともに機器ききの選定せんてい手続てつづきに関かかわっていたということです。

井ノ口いのぐち元もと理事りじは同おなじ病院びょういんの建て替たてかえ工事こうじを巡めぐる取引とりひきでも、大学だいがくからおよそ2億おく円えんを流出りゅうしゅつさせたとして籔本ほん前ぜん理事りじ長ちょうとともに起訴きそされています。

2人にんが大学だいがくに与あたえたとされる損害そんがいの総額そうがくは合あわせておよそ4億おく2000万まん円えんに上のぼり、関係かんけい者しゃによりますと2人にんは流出りゅうしゅつさせた資金しきんの一部いちぶを事実じじつ上じょう、還流かんりゅうさせるなど、利益りえきを分け合わけあっていた疑うたがいがあるということです。

関係かんけい者しゃによりますと特捜とくそう部ぶの調しらべに対にたいし、籔本ほん前ぜん理事りじ長ちょうは、追つい起訴きそされた内容ないようを認みとめているということです。

一方いっぽう、井ノ口いのぐち元もと理事りじは資金しきんの流ながれを大筋おおすじで認みとめたうえで、「大学だいがくに損害そんがいは与あたえていない」として不正ふせいを否定ひていしているということです。

田中たなか理事りじ長ちょうの関与かんよは

特捜とくそう部ぶはこの事件じけんで、日大にちだいの田中たなか英えい壽ことぶき理事りじ長ちょうの自宅じたくを関係かんけい先さきとして捜索そうさくするとともに理事りじ長ちょう本人ほんにんからも複数ふくすう回かい、任意にんいで事情じじょうを聴きいています。

関係かんけい者しゃによりますと籔本ほん前ぜん理事りじ長ちょうは特捜とくそう部ぶの調しらべに対にたいし「理事りじ長ちょうの再任さいにん祝いわいなどとして田中たなか理事りじ長ちょう側がわに複数ふくすう回かいに渡わたって現金げんきん合あわせて6000万まん円えんを渡わたした」と供述きょうじゅつしているということです。

井ノ口いのぐち元もと理事りじも籔本ほん前ぜん理事りじ長ちょうとともに田中たなか理事りじ長ちょう側がわに現金げんきんを提供ていきょうしていたことを認みとめ「籔本ほん前ぜん理事りじ長ちょうが日大にちだいの事業じぎょうを受注じゅちゅうした業者ぎょうしゃからリベートを受け取うけとったことへのお礼おれいの趣旨しゅしもあると思おもう」などと供述きょうじゅつしているということです。

一方いっぽうで井ノ口いのぐち元もと理事りじは「詳くわしい資金しきんの流ながれは理事りじ長ちょうには説明せつめいしていない」などと供述きょうじゅつしているということです。

田中たなか理事りじ長ちょうは任意にんいの調しらべに対にたいし、現金げんきんを受け取うけとったこと自体じたいを否定ひていしたうえで、事件じけんには関与かんよしていないと説明せつめいしているということです。

田中たなか理事りじ長ちょうはNHKの取材しゅざいに対にたいし、15日にちに弁護士べんごしを通をつうじて文書ぶんしょで回答かいとうし「理事りじの1人にんが起訴きそされたことは誠まことに遺憾いかんで理事りじ長ちょうとして事態じたいを重おもく受け止うけとめている」としたうえで、事件じけんについては「捜査そうさが継続けいぞくしている模様もようなので事実じじつ関係かんけいの質問しつもんは回答かいとうを差し控さしひかえる」としています。