関西電力の
岩根茂樹社長は27
日、
記者会見を
開き、
関西電力の
原子力発電所がある
福井県高浜町の
元助役から、
会長や
社長など経営幹部や
社員合わせて20
人が
多額の
金品を
受け取り、
その総額は
3億2000
万円相当に
上ることを
明らかにしました。
関西電力の
岩根社長は27
日、
大阪 北区の
本社で
記者会見を
開き、
冒頭「
関係者や
社会の
皆様に
多大な
心配をおかけし、
深くおわび
申し上げます」と
陳謝しました。
そのうえで、自身や八木誠会長などの経営幹部や社員合わせて20人が関西電力の原発がある高浜町の森山栄治元助役から、物品や金銭合わせて3億2000万円相当を受け取っていたことを明らかにしました。
多額の金品の受領は去年、金沢国税局の税務調査で指摘され、その後、一部もしくは全部を返還し、所得税の修正申告をしたということです。
岩根社長は森山元助役について「地元の有力者で、地域行政の観点から世話になっている。関係悪化をおそれ、金品を返せなかった」と述べました。
森山元助役はことし3月、90歳で亡くなっていますが、関係者によりますと、国税局の税務調査では、元助役が原発関連の工事を請け負う地元の建設会社から受注に絡む手数料を受け取り、この一部を関西電力の経営幹部に渡していたことが判明したということです。
これについて岩根社長は、関西電力が工事で支払った金が還流したという認識はないとし、社内調査で、建設会社への工事の発注プロセスに問題はなかったと強調しました。
そのうえで「不適切だったが違法ではないため、社内で公表しないことを決めた」と述べました。
受け取ったものや処分内容 明らかにせず
岩根社長は自分が受け取った物品について「社長就任のお祝いという形でお会いして、最後に手荷物をいただいた。私自身は受け取ったものを見ているわけではなく、金庫で保管していた。現金ではなく高額な物品だった」と述べ、一時的に受け取ったものだったと釈明しました。
そして「社内調査の結果、個人口座に振り込まれたケースはなかった。直接、受け渡しが行われていた」と説明しました。
ただ、自身も含め何を受け取ったのかについては、個人に関わることだとして明らかにしませんでした。
すでに、会長や社長を含めて報酬の減額など社内処分を行ったということですが、こちらも詳しい内容を説明しませんでした。
岩根社長はみずからの進退について「私がリーダーシップをとって再発防止策を確実に実施してまいりたい」と述べ、引き続き経営トップにとどまる考えを示しました。
経産省に事実関係を説明 関電
関西電力の月山將執行役員は27日、経済産業省を訪れて資源エネルギー庁の電力・ガス事業部長に会い、多額の金品を受け取った事実関係について説明したということです。
説明を終えた月山執行役員は記者団に、「経済産業省はあくまで概要の報告を聞いたという受け止めだった。改めて、しかるべき者が事実経過を含めた詳細な説明に来るように、と指示をいただいたところだ」と述べました。