アジア太平洋地域の
安全保障について
話し合うARF=
ASEAN地域フォーラムが12
日テレビ会議形式で
始まり、
アメリカと
中国の
対立が
深まる南シナ海の
問題などについて、
意見が
交わされているとみられます。
ただアメリカと
中国はともに
外相が
参加せず、
例年にない
状況となっています。ARFは
ASEAN=
東南アジア諸国連合の
加盟国や
日本、
アメリカ、
中国、
北朝鮮など27の
国や
地域が
参加する
会議です。
ことしの議長国ベトナムのミン副首相兼外相は冒頭、「きょうの会議は私たちの地域、そして世界で、重大かつ複雑な変化が続いているなかで開かれる。私たちに課された重要な役割は建設的な対話と協力を作り出すというフォーラムの役割を全うする努力を続けることだ」と呼びかけました。
会議はASEAN加盟国の一部や中国などが領有権を争う南シナ海の問題が主要議題の1つです。
南シナ海をめぐって中国はほぼ全域の権益を主張しているのに対して、アメリカは「完全に違法だ」と指摘し、両国の軍事的な活動も活発になるなど、米中の対立が深まっています。
ASEAN加盟国の間では懸念が広がっていて、緊張緩和に向けた意見が交わされているとみられます。
ただ、アメリカと中国はともに日程上の都合を理由に外相が参加せず、代理の政府高官の出席にとどまる例年にない状況となっています。
また、北朝鮮もことしは去年に続いて外相が参加せず、ASEAN大使の出席にとどまっています。
王外相 アメリカとの対じを避けたか
ASEANの一連の外相会議のうち、東アジアサミットの外相会議とARFの閣僚級の会議には、例年、アメリカと中国の外相が参加し、直接、意見を交わしてきました。
しかし、中国の王毅外相はほかの外遊日程を理由にきょう開かれたARFには参加しませんでした。
ASEAN外相会議に合わせて開かれてきたARFの閣僚級の会議で王外相が参加しないのは2013年に外相に就任して以降では初めてです。
また、外交関係者によりますと今月9日に開かれた、東アジアサミットの外相会議でも王外相は録画されたビデオで参加したということです。
米中の対立が深まる中、両国の外相が、どのような意見を交わすかが注目されていましたが、王外相はいずれの会議にも直接、参加せず、アメリカのポンペイオ国務長官との対じを避けた可能性もあります。
一方のポンペイオ国務長官も東アジアサミットの外相会議には参加したものの、アフガニスタンの停戦協議に出席することを理由にARFへの参加は急きょ見送りました。