「ミスタープロ野球やきゅう」長嶋ながしま茂雄しげおさん 告別こくべつ式しき

プロ野球やきゅう・巨人きょじんで輝かがやかしい実績じっせきを残のこし、「ミスタープロ野球やきゅう」の愛称あいしょうで親したしまれた長嶋ながしまさんは、今月こんげつ3日にち、肺炎はいえんのため89歳さいで亡なくなりました。

8日にちは都内とないの斎場さいじょうで告別こくべつ式しきが営いとなまれ、王おう貞治さだはるさんなど巨人きょじんでともにV9を果はたしたかつてのチームメートや、大リーグだいり-ぐでも活躍かつやくした松井まつい秀喜ひできさんなど監督かんとく時代じだいの教え子おしえごなど96人にんが参列さんれつしました。

祭壇さいだんには長嶋ながしまさんの笑顔えがおの写真しゃしんのまわりに永久えいきゅう欠番けつばんの「3」のユニフォームや巨人きょじんのチームカラー、オレンジの花はなが飾かざられました。

式しきでは長嶋ながしまさんとともに「ON」として一いち時代じだいを築きずいた王おうさんが弔辞ちょうじを読み上よみあげ、「あなたへの弔辞ちょうじを読よむ日ひがこんなに早はやく来くるとは思おもってもいませんでした。

さらに、長嶋ながしまさんから熱心ねっしんな指導しどうを受うけ巨人きょじんの4番ばん、そして球史きゅうしに残のこる強打きょうだ者しゃへと成長せいちょうした松井まついさんは弔辞ちょうじで「監督かんとく、きょうは素振そぶりないですよね。

そして、最後さいごに喪主もしゅを務つとめた次女じじょの三奈みなさんが挨拶あいさつしました。

三奈みなさんによると、長嶋ながしまさんは亡なくなる間際まぎわ、脈拍みゃくはくと血圧けつあつの数値すうちがゼロと表示ひょうじされたあとも心電図しんでんずの波形はけいが動うごいていたということで、「最後さいごまで長嶋ながしま茂雄しげおを貫つらぬいた人生じんせいを送おくったと思おもいます。

王おう貞治さだはるさん「日本にっぽんにとって残念ざんねん」

告別こくべつ式しきで弔辞ちょうじを読よんだ王おう貞治さだはるさんは「長嶋ながしまさんは特別とくべつな人ひとで、野球やきゅう界かいだけでなく日本にっぽんにとってなければならない人ひとだった。

中畑なかはた清きよしさん「少すこしでも恩返おんがえしができるよう頑張がんばりたい」

告別こくべつ式しきで弔辞ちょうじを読よんだ中畑なかはた清きよしさんは「楽たのしい思い出おもいでばかりが頭あたまの中なかに湧き出わきでてきて、改あらためて太陽たいようのような人ひとだと感かんじた。

松井まつい秀喜ひできさん「まだまだ いろいろ問といかけたい」

告別こくべつ式しきで弔辞ちょうじを読よんだ松井まつい秀喜ひできさんは「監督かんとくなので、笑顔えがおで送り出おくりだしたいということだけを意識いしきしていた。

喪主もしゅを務つとめた次女じじょの三奈みなさんが通夜つやのあいさつで披露ひろうした『監督かんとくやるやる詐欺さぎ』については「三奈みなさんとは、監督かんとくにいつまでも元気げんきでいてもらうために何なにがいいかというのをたまに話はなしていたので、その中なかでいろいろなエピソードが出来できてきたんだと思おもう」と振り返ふりかえりました。

そして最後さいごに「たくさんのことを私わたしに授さづけてくれ、たくさんの時間じかんを共有きょうゆうしてくださった。

王おう貞治さだはるさん弔辞ちょうじ【全文ぜんぶん】

長嶋ながしまさんとともに「ON」として一いち時代じだいを築きずきV9を果はたした王おう貞治さだはるさんの告別こくべつ式しきでの弔辞ちょうじです。

長嶋ながしま茂雄しげおさん。

あなたへの弔辞ちょうじを読よむ日ひがこんなに早はやく来くるとは思おもってもいませんでした。

あなたは日本にっぽんの健康けんこう優良ゆうりょう児じでした。

存在そんざいそのものが、日本人にっぽんじんの誇ほこりでした。

グラウンドでは、一挙手一投足いっきょしゅいっとうそくが、日本にっぽん中ちゅうのファンの心こころを惹ひきつけました。

日本にっぽん中ちゅうがあなたを追おいかけました。

大変たいへんだったと思おもいますが、あなたは嫌いやな顔かお一ひとつせず、常つねに明あかるく存在そんざいしていました。

太陽たいようのように光ひかりを放はなっていました。

本当ほんとうに特別とくべつな存在そんざいでした。

そんなあなたに私わたしは迷惑めいわくばかりかけていました。

昭和しょうわ34年ねん、私わたしが入団にゅうだんした年としの宮崎みやざきキャンプで同室どうしつにさせられ、世間せけん知しらずの私わたしは、部屋へやの片付かたづけ、布団ふとんの上げ下あげさげなどすることもできず、挙げ句あげくに、寝相ねぞうは悪わるいは、いびきはかくはで、迷惑めいわくをかけっぱなしだったようで1週間しゅうかんで部屋へやを替かえさせられましたが、その間そのかん、長嶋ながしまさんは一言ひとことも文句もんくを言いいませんでした。

アメリカのベロビーチでキャンプした時とき、ロサンゼルスで1泊はくしてフロリダに飛とんだんですが、その出発しゅっぱつの日ひの朝あさ、私わたしが寝坊ねぼうしてしまい、長嶋ながしまさんが天窓てんまどから部屋へやに入はいってくれて、私わたしを起おこし、荷物にもつをまとめてくれたので、飛行機ひこうきに乗り遅のりおくれることはなく済すんだこともありました。

私わたしにとっては、長嶋ながしまさんは超ちょう普通ふつうの人ひとでした。

長嶋ながしまさんは私わたしに普通ふつう人じんとして接せっしてくれました。

長嶋ながしまさんには頭あたまが上あがりませんでした。

足あしを向むけて寝ねられない人ひとでした。

そんな大だい恩人おんじんの長嶋ながしまさんとのこんなお別わかれは、到底とうてい受け入うけいれられません。

皆みなさんも同おなじだと思おもいます。

しかし、そうは言いっても、現実げんじつに引き戻ひきもどされてしまいます。

あとは、静しずかに、静しずかにお見送みおくりするのみです。

長嶋ながしまさん、ありがとうございました。

あなたとの六ろく十じゅう有余ゆうよ年ねん、私わたしにとっては忘わすれることのできない貴重きちょうな年月としつきでした。

感謝かんしゃするしかありません。

89年間ねんかん、よくぞ頑張がんばってくれました。

日本人にっぽんじんのために頑張がんばってくれました。

ありがとうございました。

安やすらかにお眠ねむりいただくことを願ねがうのみです。

『長島ながしま茂雄しげお』に戻もどってゆっくりとお眠ねむりください。

さようなら。

令りょう和わ7年ねん6月つき8日にち。

王おう貞治さだはる。

中畑なかはた清きよしさん弔辞ちょうじ【全文ぜんぶん】

長嶋ながしまさんが監督かんとく時代じだいに選手せんしゅとしてプレーし、2004年ねんのアテネオリンピックでは病気びょうきで倒たおれた長嶋ながしまさんに代かわって指揮しきをとった中畑なかはた清きよしさんの告別こくべつ式しきでの弔辞ちょうじです。

監督かんとく、親父おやじさん、そしてミスター。

長ながい間まありがとうございました。

あなたは私わたしの人生じんせいの全すべてです。

思い出おもいでは山やまほどあります。

忘わすれられないのは、伊東いとうキャンプです。

監督かんとくと二に人にんで交かわした個人こじんノック、忘わすれられません。

ノックの天才てんさいですね。

飛び込とびこんでも、飛び込とびこんでも絶対ぜったい捕とれない距離きょり感かん、それを打うち分わける天才てんさいです。

捕とれない。

それに向むかって、「この下手へたくそ、下手へたくそ」。

私わたしはノッカーに「この下手へたくそ、下手へたくそ」と言い返いいかえしました。

たまに打うってくれるサービスボール。

うれしかったです。

捕とって喜よろこんで、監督かんとくめがけて投なげ返かえしていました。

そのボールに「ヒョー、ヒョー」と叫さけびながら踊おどりまくる監督かんとくとの対決たいけつが忘わすれることができません。

私わたしの野球やきゅう人生じんせいで最高さいこうの思おもいです。

夢ゆめの時間じかんでした。

そして、伊東いとうキャンプの最終さいしゅう日び、我々われわれを苦くるしめた馬場平ばばだいらでのランニング。

馬場平ばばだいらというのは急きゅうな坂道さかみちが続つづいていく。

そして折り返おりかえし、緩ゆるやかな坂道さかみちを帰かえるという一周いっしゅうするランニングコースです。

厳きびしいです。

きつかったです。

私わたしは最後さいごのチャンスだと思おもい、篠塚しのづかに「シノ、何なんとか監督かんとく走はしらせろ。

そしてシノは普段ふだんにはないような、監督かんとくのそこまで行いってわざわざ、「偉えらそうに腕うで組くんで見みてんじゃねえよ。

すぐにです。

それに対にたいして、笑顔えがおで挑発ちょうはつに乗のってくれましたよね。

ペッペッと両手りょうてに唾つばを吐はいて、「よーよ-しっ」と一気いっきにあの坂さかを登のぼり始はじめたんです。

一気いっきに登のぼり始はじめて姿すがたが見みえなくなり、しばらくして、帰かえってきてくれるのかなと思おもいましたけど、なかなか帰かえってこない。

やっと姿すがたが見みえた時ときには、もう息いき絶え絶たえだえ。

ケツ割われして、子こどもがうんこ漏もらしたようなそんな感かんじで、ヘタヘタになって帰かえってくる。

その姿すがたを見みて、我々われわれ選手せんしゅは長嶋ながしまコールを始はじめました。

「長嶋ながしま、長嶋ながしま、長嶋ながしま」。

ゴールした時ときに、初はじめて親父おやじさん、ご苦労ごくろうさまでした。

そして、雲の上くものうえにいた監督かんとく、長嶋ながしま茂雄しげおが、我々われわれのところまで降おりてきてくれたのかなという感情かんじょうを持もちました。

そして、みんなが長嶋ながしまファミリーになった瞬間しゅんかんではなかったかなという気きがします。

ありがとうございました。

そして、もう一ひとつは、ミスター。

この言葉ことばに本当ほんとうに憧あこがれを感かんじていました。

一いち度どでいいから本人ほんにんに向むかって「ミスター」と呼よびたかったです。

そのチャンスが、現役げんえきが終おわり、引退いんたいした後のちに、監督かんとくとゴルフを、千葉ちば県けんのゴルフ場じょうで一緒いっしょにさせていただくことがありました。

きょうがチャンスだ、そう思おもって、面めんと向むかって言いうのは勇気ゆうきが要いります。

背後はいごから背中せなか越ごしに「ミスター」と声こえかけたら、「おお、どうした、キヨシ」と満面まんめんの笑えみで振り返ふりかえってくれました。

その時ときに子こどものような気持きもちで、私わたしは心臓しんぞうが止とまるぐらい感動かんどうし、喜よろこんだことを覚おぼえています。

それ以来いらい、「ミスター、ミスター」と呼よばせていただきました。

ミスターの凄すごさ、いろいろあります。

そんな中なかで、私わたしの中なかで忘わすれられないのは、ミスターは万まん人にんに対にたいし、誰だれにでも対たいし、心こころ優やさしい笑顔えがおを見みせながら対応たいおうする、言葉ことばをかける。

あの姿すがた、私わたしは謙虚けんきょに、ビッグになればなるほど謙虚けんきょに生いきろよ、ということを教おそわったような気きがします。

それを手本てほんに、これからも頑張がんばっていこうと思おもいます。

本当ほんとうにありがとうございました。

頑張がんばるだけ頑張がんばってきた89年ねんだと思おもいます。

ここで一息ひといき入いれてください。

ゆっくり休やすんでください。

そしてまた、その満面まんめんの笑えみで国民こくみんの前まえに出でてきてくれる夢ゆめを見みさせてください。

安やすらかにお眠ねむりください。

本当ほんとうに長ながい間まありがとうございました。

松井まつい秀喜ひできさん弔辞ちょうじ【全文ぜんぶん】

長嶋ながしまさんと深ふかい師弟してい関係かんけいを築きずき、巨人きょじんや大リーグだいり-ぐで活躍かつやくした松井まつい秀喜ひできさんの告別こくべつ式しきでの弔辞ちょうじです。

監督かんとく、きょうは素振そぶりないですよね。

その目めを見みていると、「バット持もってこい。

でも、今いまはその声こえを聞ききたいです。

ドラフト会議かいぎで私わたしを引き当ひきあててくださり、満面まんめんの笑えみで親指おやゆびを突き上つきあげてくれました。

タイガースファンだった私わたしは、心こころの中なかでちょっとズッコケました。

しかし、その後そのご、すぐに電話でんわで「松井まつい君くん、待まってるよ」と言いってくださり、あっという間あっというまに私わたしの心こころは晴はれました。

監督かんとくはひとたびユニホームを着きてグラウンドに出でると、強烈きょうれつな光ひかりを発はっし、私わたしと二に人にんで素振そぶりをする時ときは、バットマン、長嶋ながしま茂雄しげおになりました。

それが私わたしの日常にちじょうでした。

監督かんとくが引退いんたいされた年としに生うまれた私わたしは、監督かんとくの現役げんえき時代じだいをともに過すごした方々かたがたと同おなじ気持きもちになりたくてもなることはできません。

その時代じだいを生いきていません。

ですが逆ぎゃくに、私わたしはその野球やきゅうの神様かみさま、長嶋ながしま茂雄しげおというものを、肌はだで感かんじていないからこそ、普段ふだん、普通ふつうの自分じぶん自身じしんで接せっすることができました。

それが私わたしにとって、非常ひじょうに幸運こううんだったと思おもっております。

監督かんとくを退任たいにんする日ひ、私わたしは最後さいごの素振そぶりだと思おもって、振ふっている途中とちゅう、涙なみだが止とまりませんでした。

これが最後さいごの素振そぶりになると思おもったからです。

「何なに泣ないてんだ。

そう声こえをかけてくださいました。

それが最後さいごだと思おもっていましたが、翌日よくじつもやりましたね。

そして、次つぎの年としも次つぎの年としもやりました。

私わたしは長嶋ながしま茂雄しげおから逃にげられません。

これからもそうです。

それが私わたしの幸しあわせです。

監督かんとく、私わたしは現役げんえき時代じだいに一いち度どだけ監督かんとくにお願おねがいしたことを覚おぼえていますか。

私わたしはセンターを守まもっておりましたが、「監督かんとく、どうせなら私わたし、サードやらしてくださいよ」とお願おねがいしました。

そしたら、「お前おまえはサードじゃないよ。

私わたしは全まったくピンときておりませんでした。

ある日ひ、素振そぶりで監督かんとくのご自宅じたくにお邪魔じゃました時とき、私わたしはそこにジョー・ディマジオのバットとジョー・ディマジオの大おおきな写真しゃしんがあることに気きづきました。

見逃みのがしませんでした。

監督かんとくは本当ほんとうにジョー・ディマジオが好すきなんだなと思おもって、また、その選手せんしゅのようになれと言いってくれたことに、本当ほんとうにその時とき、幸しあわせに感かんじました。

それから私わたしは喜よろこんでセンターが大好だいすきになりました。

その時とき、監督かんとくは、私わたしがジョー・ディマジオと同おなじユニホームを着きて、同おなじグラウンドでプレーすることを夢ゆめに思おもっていなかったと思おもいます。

もちろん、私わたしも思おもっていませんでした。

私わたしが引退いんたいして、監督かんとくに挨拶あいさつに行いった時とき、「監督かんとくがジョー・ディマジオって言いったから、私わたし、ヤンキースに行いったんですよ」って言いったら、この笑顔えがおを見みせてくださいました。

その時とき、初はじめて私わたしは、大好だいすきなジャイアンツを去さることになりましたが、これでよかったんだと思おもいました。

そして、今いまも遠とおい離はなれた場所ばしょにいます。

日本にっぽんに帰かえってくるたび、監督かんとくにごあいさつに行いくと、監督かんとくの言いいたそうなことを、言いおうとするのに言いわない。

でも、その気持きもちはいつも受け取うけとっておりました。

これからも監督かんとくが、なぜ私わたしだったのか、なぜ私わたしにたくさんのことを授さづけてくださったのか。

その意味いみを、その答こたえを、自分じぶん自身じしんが心こころの中なかで、監督かんとくに問とい続つづけます。

今度こんどは、私わたしが監督かんとくを逃にがしません。

ですから、今日きょうは「ありがとうございました」も、「さようなら」も、私わたしは言いいません。

今後こんごも引き続ひきつづき、よろしくお願おねがいします。

そして、その強烈きょうれつな光ひかりで、ジャイアンツの未来みらいを、日本にっぽんの野球やきゅうの未来みらいを照てらし続つづけてください。

喪主もしゅ 長嶋ながしま三奈みなさんあいさつ【全文ぜんぶん】

喪主もしゅを務つとめた長嶋ながしまさんの次女じじょ、三奈みなさんのあいさつです。

本日ほんじつはお忙おいそがしいところ、また、遠路えんろにもかかわらず、父ちち、長嶋ながしま茂雄しげおの葬儀そうぎに足あしをお運はこびくださいまして、誠まことにありがとうございました。

2004年ねん、脳のう梗塞こうそくで倒たおれてからは、自分じぶんとの闘たたかいを21年間ねんかん続つづけてきました。

私わたしが見みていても胸むねが締しめつけられるぐらい苦くるしい治療ちりょうをたくさんしてきました。

食事しょくじも食たべられず、会話かいわもできない日ひも何なん日にちもありました。

でも、父ちちは、野球やきゅうを全まっとうしたそのままの力ちからで、病やまいと真正面まっしょうめんから向き合むきあって、決けっしてあきらめることはしませんでした。

6月つき3日にち、朝あさ6時じ過すぎに、病室びょうしつにおりまして、脈拍みゃくはくと血圧けつあつの数値すうちが0になったんですが、よく見みると、波形はけいが、ピッピッと山やまなりの波形はけいが、ずっと続つづいているんです。

看護かんご師しさんに「これ、どういうことなんですか」と聞ききましたら、「監督かんとくが心臓しんぞうを動うごかそう、動うごかそう、動うごかそうとしている振動しんどうなんだと思おもいます。

看護かんご師しさん、主治医しゅじいの先生せんせい方かた、最後さいごまで驚おどろいていました。

最後さいごまで長嶋ながしま茂雄しげおを貫つらぬいた人生じんせいを送おくったと思おもいます。

意識いしきがなくなっても諦あきらめず、そして、最後さいごまで、俺おれは生いきるんだ、諦あきらめてないぞ、諦あきらめてないよと。

父ちちの心臓しんぞうの鼓動こどうがそう発はっしていると、私わたしは思おもいました。

父ちちらしい、最期さいごまで諦あきらめない姿すがたを見みせてくれました。

父ちちは、きっとこの後のち、天国てんごくでも日課にっかとしている散歩さんぽとトレーニングを続つづけると思おもいますので、晴はれた日ひには、皆様みなさまどうぞ時々ときどき空そらを見上みあげて、父ちちのことを思い出おもいだしていただければと思おもいます。

そして、父ちちはとても耳みみが良よいので、松井まついさんも、もしよろしければニューヨークから素振そぶりをしていただければ、父ちちもしっかりと聞きいていると思おもいます。

どうぞ、これからも父ちちと松井まついさん、二に人にんだけの会話かいわを、素振そぶりを続つづけていただければと思おもいます。

また、この度たび、葬儀そうぎ委員いいん長ちょうを務つとめていただきました読売新聞よみうりしんぶんグループ本社ほんしゃ代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう、山口やまぐち寿一ひさいちさまには、父ちちが亡なくなる前日ぜんじつ2日にちに病室びょうしつに来きていただき、また翌日よくじつ3日にちの早朝そうちょうにも駆かけつけてくださり、私わたし達たち、家族かぞくだけではなく、スタッフにも「体からだは大丈夫だいじょうぶですか」と温あたたかいお声こえをたくさんかけていただき、本当ほんとうにお支ささえいただきました。

「感謝かんしゃ」という2文字もじだけでは到底とうてい足たりないんですが、山口やまぐち社長しゃちょう、そして読売新聞よみうりしんぶんグループ本社ほんしゃ社員しゃいんの皆様みなさま、読売よみうり巨人きょじん軍ぐん社員しゃいんの皆様みなさま、家族かぞく・親族しんぞく一同いちどうを代表だいひょうしまして、心こころより、心こころより、感謝かんしゃ申し上もうしあげます。

出棺しゅっかんに先立さきだちまして、お礼おれいを申し上もうしあげ、ごあいさつと代かえさせていただきます。

本日ほんじつは誠まことにありがとうございました。