FRBは8日、全米の12の地区連銀がまとめた「ベージュブック」と呼ばれる最新の経済報告を公表しました。
この中で、景気の現状について「7月上旬から8月にかけて、経済の成長が緩やかなペースへとわずかに鈍化した」としています。
これは、これまで回復を続けてきた外食や観光などの分野で、感染が拡大するデルタ株の影響によって消費を控える動きが出てきたためだとしています。
一方で、雇用情勢については改善の状況にばらつきがあるとしながらも「すべての地区で増加した」としたほか、景気の先行きについても「ほとんどの地区で短期的な見通しは楽観的だった」としていて、景気の回復が大きく崩れていないという認識を示しています。
FRBのパウエル議長は、ワクチンの普及などを受けた景気の回復が続けば政策転換にあたる量的緩和の規模の縮小を年内に始める方針を示していて、デルタ株による影響の度合いが今後の焦点になりそうです。